メンヘラを救う夢

f:id:verda5:20151128222555j:plain

 

 シンデレラって美しい話ですよね。継母に酷い仕打ちを受ける灰被りの娘が、魔法の力で出会った王子に認められ一躍王女に抜擢...この話の要素には、不相応に低い自尊心が引き上げられる極めて健全な運動が認められますが、僕はこれがメンヘラたちを丸ごと救いうるものであると思うのです。

 

 僕は、病的なことを考えたがるメンヘラとは、自尊心を高く設定できないことによって不利益を被る人達であると考えます。そしてこのメンヘラの傾向性はあらゆる人に認められるものだと推論できます。

 一般的な了解に即して考えてみると、一人ひとりの心はその人にとって唯一の大事なもので、それを活き活きしたものとして維持するには相応の扱いが求められます。ですが人々が共生する社会ではそれを完全にすることはできず、ある程度の妥協が求められることによって、全ての人がシンデレラのように不相応な扱いを受けると想定されます。

 メンヘラといえば、いわゆるメンヘラ女子を連想する人が多くいるでしょうが、彼女らはなまじ若くて美しいぶん自尊心のステータスをいじりやすく、それに付随する不安と対峙することになるのでしょう。がんばれ女子。

 

 設定された自尊心よりも良い扱いをされれば、自尊心の値を越えるぶん自己に対してネガティブな気持ちを抱いてしまい、自尊心を上げることにあたっては、周囲から咎められるリスクがつきまといます。これは敬虔な人ほど悩ましい問題です。気遣いをすればするほど自尊心をあげることが難しくなり、後ろめたく暗いことを考えたくなってしまう。

 

 この問題の一時的な解法は、コミュニティ内で無批判に自尊心を支えてくれるシステムにあやかることです。クラブの先輩、後輩文化であったり、学歴を持ったり、お金を持ってるように装ったり。

 根本的な解法は、人間の自然本性に基づく、無くすことのできないこの根本的な問題への意識をスピリチュアルに共有できるコミュニティを用いることではないでしょうか。友人、教会、家族(キリスト教では結婚でもたらされる家庭は第二の教会と言われることもあります)、恋人など。ときに運命という魔法で出会った恋人は、王子のように私たちを王妃にしてくれるかもしれません。